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日本自然保護協会の「日本自然保護大賞2021」に入選しました!

画像:日本自然保護協会の「日本自然保護大賞2021」に入選しました!

2021/01/18 update

公益財団法人日本自然保護協会主催の「日本自然保護大賞2021」「地域住民と中学生の共同参画による循環型社会の形成のための活動」と題し、松徳学院中学生と行った天神川の水草刈りについての取り組みについて応募したところ、この度入選のご連絡をいただきました!129件の応募の中で、大賞3団体、特別賞3団体、入選20団体でした。https://www.nacsj.or.jp/award/result_2021.php
応募内容の詳細は下記をご覧ください。

 

現在寄付強化月間開催中!
この活動は皆様からのご寄付によって行われています。

今後も継続していくため、ご寄付という形で活動へのご参加をお待ちしております。
ご寄付の詳細については下記URLをご覧ください。
https://www.sizen-saisei.org/3568/

 

■応募内容

【応募部門】
保護実践部門, 教育普及部門

【応募活動のテーマ】
地域住民と中学生の共同参画による循環型社会の形成のための活動

【応募活動の概要】

松江市内を流れる河川には、毎年水草が繁茂して景観と生活環境の悪化を招いている。そこで、地域住民と地元の中学生が一緒になって、水草を刈り取り、景観や生活環境の改善に取り組んだ。さらに、刈り取った水草を畑の肥料として使用して作物を栽培し、循環型社会を実現するための活動も行なった。

【応募活動の開始年月】
2015年7月

【応募活動の詳細・アピールポイント】

1.活動の目的

松江市内を流れる天神川は、毎年水草が繁茂している。これらの水草は、景観を損ねるだけでなく、腐敗することにより悪臭が発生して、周辺住民の生活環境の悪化も招いている。しかしながら、水草は水中の過剰な富栄養化の物質を吸収することにより、水質浄化に寄与するだけでなく、水中に生息する生物のシェルターなどにも利用されており、生態学的にも有用である。そこで、この水草をどのように利活用するか、地域住民と一緒に検討するための活動である。
また、生徒たちが水と親しむ機会が減少しており、このような体験の機会を提供することも副次的な目的である。

 

2.活動の内容

活動の主な内容は下記の3つである。

①地域住民と中学生による天神川の水草刈り
今年度は、毎年行っている天神川の水草刈りに、地元住民で結成されている河童隊に加えて、初めて松徳学院中等部の1年生に参加してもらった。新型コロナ状況下では、郊外活動をすることが制限されているだけでなく、水辺の郊外活動は危険が高いため実施されないことが多いので水辺環境に親しむ機会も制限されている。そのため、ソーシャルディスタンスを確保しながら、水草刈りを手伝ってもらい、あわせて水草を取り除くことによる水質改善への効果などについての環境学習についても実施した。


②刈り取った水草を肥料として利用し、作物を栽培する。
刈り取った水草はこれまで有効な活用方法がなかったために、廃棄物として焼却処分されていた。水草はこの河川だけでなく、この河川の上流にあたる宍道湖においても幅広く繁茂しており、これら全てを廃棄物として処分するには費用面からも困難な状況である。そこで、刈り取った水草を近くにある畑に肥料として使用し、そこで栽培した作物を販売することにより、廃棄物を削減するだけでなく未利用資源の有効活用をすることを目指している。


③活動に参加した中学生のワークショップによる体験の深化
現場の活動について後日、中学校では兵庫県立大学(教育学)の先生を招いて、ワークショップを行い、今回の活動について取りまとめるとともに、松江市の未来に関する提言についてもまとめた。また、学校内での「ジャガイモ研究会」では、水草を乾燥させ畑に入れ対象区を作りジャガイモの  生育を研究するために土壌改善の準備をしている。


④松徳学院では、数年のうちに島根県初のユネスコスクール加盟登録に向けて、地域の課題を知り解決するための取り組みを展開している。水草刈りを通してローカルからグローバルの視点を地域の人々と実践できた。

 

3.まとめ

今回の活動を通じて、コロナ禍の中、オープンエアの下日ごろ接することが少ない地域住民と中学生が、共同で地域の課題の解決のための活動をする機会を提供した。また、地域の人々にとっても地域の課題を次世代と共に解決していく実践はとても励みになった

あわせて未利用資源である刈りとった水草を肥料(資源)として活用する方法の実証実験を行い、水草の有用について実証に挑戦した。

 

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